たいへん稀少なC.L.GUINAND(ギナーン)のポケットクロノグラフです。
ムーブメントは自社製で分計測の歯車が所謂「ウルフティース」となっており年代の古さを物語っています。 時分針が排除され12時下のインナーダイヤルに30分積算計、 6時上には永久秒針が配置された純粋なクロノグラフです。 ストップウオッチと違う点は、通常ストップウオッチは計測をやめると 強制的にテンプの動きを止めますが、この時計はパワーリーザーブが無くなるまで、十数時間動き続けます。
 さらに特徴的なのは所謂「割り剣」や「ラトラパンテ」とも呼ばれるスプリットセコンド機能付きだという所です、クロノグラフ好きにはたまらない時計の複雑機構のひとつです。 基本操作はワンプッシュ式のクロノグラフで、竜頭を押すとセンターのクロノグラフ秒針がスタート、 もう一度押してストップ、そしてまた押してリセットとなります。 計測中に左上のプッシュボタンを押すと、下の針がストップしてスプリットタイムが計測出来ます。 もう一度押すと上の青針に瞬時に追いつきます。 大きいケースだけにカチコチと聞こえる刻音も大きく、腕時計とは違う心地よさがあります。
 針は4針全てブルースティールとなっており光にかざすと、たいへん美しいです。 ケースはメタルベースのクロームメッキ製だと思います。 文字盤には筆記体で「C.L.Guinand」「Locle-Swihterland」と表記されています。C.L.GUINAND社がル・ロックルに移ってから製造された物のようです。